伝統食の復権
伝統食の復権 コメント
確かに大半の日本人は、離乳期を過ぎると、欧米人よりもガラクトース代謝に関係する酵素の活性低下があるようです。ですから、ガラクトースの大量摂取につながるヨーグルトの過食は白内障のリスクも考え、ほどほどにした方が良さそうです。ヨーグルトをたくさん食べ続けていた子育て奮闘中の若いお母さんで白内障の手術を受けた人もいます。
このページでは結論となる文章をメインに一部を引用して紹介しています。結論に至るまでの本当に読ませる部分の引用は避けているのですが、それは、これから購入される人の楽しみ(小説だとストーリーに該当)と著作権を尊重しているからです。
ガラクトース血症の説明は、ガラクトース代謝に関与する酵素の活性低下のリスクを強調するため、かと思われます。活性低下を欠損と記述している点は、素人には分かりやすい説明ですが正確ではないので残念です。メルクマニュアルを参照してみると、幸いにも遺伝疾患としての欠損の確率は低いようです。
著者が結論として述べているリスクをこのページの引用だけで、頭から否定されることがないよう、実際に購入した上で科学的な思考力を働かせながら読んでみて下さい。
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伝統食の復権 目次
序章 今こそ「ヒト」に返るとき――動物として「食」をとらえる
第1章 食生活はいかに”改悪”させられたか――「食術」破壊と「歪な栄養観」形成の歴史
第2章 実験室”栄養学”の大罪――伝統食否定がもたらした不健康
第3章 「食」の健康”常識”を問い直す――栄養素信仰の呪縛を解く
- 牛乳でカルシウムは吸収できるのか?――ラクターゼ活性の変化
- ヨーグルト・チーズと白内障――健康ブームの陰で知らされない事実
- 肉のない食事は貧しいのか?――「呆食」からの脱却
- 減塩運動の功罪――量だけでなく濃度が問題
- 科学的根拠のない高カルシウム・高タンパク思想――日本人を支配する思い込み
- ”栄養バランス”の行きつくところ――「1日30食品」のナンセンス
- エネルギー(カロリー)計算の意味――実験室栄養学の限界
- 季節の変化も正当に考える――見過ごしにされてきた温度の変化と食事
- 食品・飲料の温度――無視されてきた重要な要素
- ザプリメント食品について――錠剤ブームの功罪
- 無意味な”一品万能論”――安直で異常な健康ブームについて
- 迷走する妊婦の食事指導――栄養素主義の弊害
- (コラム)「日本人の栄養所要量」――栄養士を呪縛する厚生省の指導
第4章 これからの食事の指針――ヒトらしい食生活を取り戻す
- 一度、栄養素を忘れてみよう――ヒトとしての「勘」を取り戻す
- 減塩と味噌汁――摂り方も考えよう
- 牛乳信仰からの脱却――牛乳は子牛のものに過ぎない
- デンプンに正当な評価を――エネルギー摂取を第一に考える
- 「体位向上」「ダイエット願望」を見直そう――大きすぎる弊害
- 日本人らしい食生活を取り戻す――アミラーゼ活性が高いヒトとして最適な食事
- 喉の渇きにはまず水を――目に余る奇妙な「飲料習慣」
- 「食術」を受け継ぐラストチャンス――いまこそ実績の正当な評価を
- きちんとした食べ物を教える――まともな母乳から始める食育
- しっかりとよく噛む――全身の健康との密接な関係
- 食事を楽しむ――たまにはアンバランスな外食も
終章 地球問題として「食」を見直す――生態系のなかのヒト
ヨーグルト・チーズと白内障
カルシウムの吸収だけを目的にするなら、ヨーグルトやチーズのように、加工の過程で乳糖がグルコースとガラクトースに分解されている乳製品を摂取すればいいということになりますが、そこにも落とし穴があります。
グルコースは私たちのエネルギー源として重要な役割を果たします。しかしガラクトースは吸収されますが、そのままでは使うことができません。ガラクトキナーゼなどの酵素が働いてグルコースに変換されて初めて利用可能となるのです。もちろん乳児期にはこの酵素も持っていますが、離乳期を過ぎるとなくなってしまいます。これも哺乳動物の共通点のひとつですが、ヨーロッパ人など一部の人たちは成人になってもこの酵素を持ち続けています。
1989年になって乳製品の摂取と白内障についての疫学調査の結果が報告されました。吸収はされたが、ガラクトキナーゼなどの酵素がないためにグルコースになれないガラクトースが、一番落ち着きのいい場所を求めて体内を移動し、目の水晶体に落ち着いてしまうのです。
日本でも乳製品の普及につれて若年者の白内障は見られるようになってきました。若者のなかには毎日のように500グラムものヨーグルトを食べている人もいました。筆者は大学の入学志願者の健康診断の結果をチェックしていますが、まだ18〜19歳の若者の中に、白内障の患者がいることを発見することがあります。
最新医学大辞典にも「ガラクトース血症」の項に
「血中、尿中ガラクトースの増加する遺伝的疾患。ガラクトースのグルコースへの代謝過程の酵素の欠損によるもので、次の3型がある。
1)ガラクトース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ欠損症で、ガラクトース-1-リン酸の蓄積による毒性のため、生後哺乳を開始して間もなく、嘔吐、不機嫌、食欲不振、黄疸、下痢など種々の症状を呈し、後には肝硬変、腎障害、ガラクチトールによる白内障が起こる。早期診断、早期治療で予後は良好である。
2)ガラクトキナーゼ欠損症で、症状は白内障のみ。
3)赤血球中のウリジン二リン酸ガラクトース-4-エピメラーゼが欠損しているエピメラーゼ欠損症で、臨床症状は全くない。
3型とも常染色体性劣性遺伝である」
と示されています。ここで3つに分けて記載されていますが、いま問題にしているのは2番目のものです。ここでは「遺伝的疾患」として3つとも「症」の字をつけて示していますが、現在の若者の間で問題になっている白内障は遺伝的疾患ではなく、哺乳動物が成長していくにつれて起こる正常な変化が起こっているにもかかわらず、ヨーグルトなどを摂取した結果です。
ヨーロッパ人の間ではこのような人は少数派ですから「症」を付けたくなるのかもしれませんが、世界の人類、哺乳動物の世界を見れば、これが疾患ではなく当たり前の姿だということがわかります。
牛乳信仰からの脱却
世界人口の大部分を占めるアジア、アフリカの人たちは400ミリグラム以下のカルシウム摂取量ですが、骨粗しょう症の多発をいうような事実はありません。骨粗しょう症はむしろカルシウム摂取量が1000ミリグラム前後のヨーロッパ諸国で多発しています。
ヨーグルトのように乳糖がグルコースとガラクトースに分解されている場合には、日本人などでもカルシウムは吸収されますが、ガラクトースが目の水晶体にたまって、若年性の白内障の原因になることも明らかにされています。